<アカデミー賞>「ハート・ロッカー」受賞(毎日新聞)

 【ロサンゼルス吉富裕倫】第82回アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー主催)の授賞式が7日夕(日本時間8日午前)、米ロサンゼルスのコダックシアターで行われた。作品賞はイラク戦争の爆弾処理班を描いた「ハート・ロッカー」が受賞。この作品のキャスリン・ビグロー監督(58)が、女性として監督賞を初受賞した。

 主演男優賞は「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスさん(60)。カントリー歌手を渋く演じ、歌も見事にこなした。主演女優賞は「しあわせの隠れ場所」のサンドラ・ブロックさん(45)。黒人のアメリカンフットボール選手を育てる白人養母を熱演した。

 助演男優賞は「イングロリアス・バスターズ」に出演したオーストリア人俳優のクリストフ・バルツさん(53)。第二次大戦中にフランスを支配したナチスの冷酷な大佐を演じた。助演女優賞は「プレシャス」のモニークさん(42)。暴力的な黒人の母親役を圧倒的な迫力で演じた。

 長編ドキュメンタリー賞は、日本のイルカ漁を告発した米映画「ザ・コーヴ」が受賞。環境保護団体が和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした映像を使用した。「高濃度の水銀を含むイルカ肉をクジラ肉として販売している」などと、日本の捕鯨を批判。全米監督組合賞(ドキュメンタリー部門)に選ばれるなど、国際的に話題となっていた。

 長編アニメーション賞には、作品賞にもノミネートされた「カールじいさんの空飛ぶ家」が選ばれた。

 今回は、ジェームズ・キャメロン監督(55)が最新の映像技術を駆使して製作した3D映画「アバター」と、ビグロー監督の「ハート・ロッカー」が最多の9部門でノミネート。2人の監督は元夫婦で、その“対決”が関心を呼んでいたが、「ハート・ロッカー」に軍配が上がる形になった。

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